竹林環境の再生
「竹林が荒れてどうしようもない。
竹林を綺麗にしても手間ばっかりかかるしなぁ」
というのが、地元の声でした。
Location
京都西山山麓。京都の西の端の西京区と右京区に位置します。
保津川が亀岡市内から嵐山まで流れ込み、そして桂川を形成しています。
土壌は大阪から沖積層が広がり、泥岩やチャートが基盤の地質となっています。こういった地質は、竹の生育に適した土で古くからタケノコの栽培等が行われてきました。竹林の景観は京都西山山麓の地質にあった風景を形成し、地域の風土を伝えています。
Task & Object
「竹林が荒れてどうしようもない。一部の観光地では綺麗にしてはるけど、ほとんどの竹林は荒れてどうしようもない、竹林を綺麗にしても手間ばっかりかかるしなぁ」「京都の西の端やけど、こんなに自然があって、街にもすぐに行けて、でも人がどんどん減っていくなぁ、ここにあって自慢できるのはタケノコだけやなぁ」というのが、地元の声でした。大原野や嵯峨野の竹林は観光地としてインバウンドも含めて集客力が高いものの、一歩観光地を離れた観光収益がない場所では竹林は荒れ放題で手間がかかる地元名産の筍堀を行う農家さんも少なくなってきているということが現状でした。近い未来、インバウンドなどの集客力が低下した場合、美しい竹林の維持としての必要性がなくなり、京都の文化的景観の1つである竹林が失われるのではないかという危機感さえ感じます。
本プロジェクトは短期的な竹林整備を目指すのではなく、筍といった郷土の自然の副産物を収穫するための就農促進もテーマとして取組み、地域で地域の文化や自然を守る
景観保全と産業化の仕組みづくりが目標です。